ロケット小説というより

特許を巡る経済(?)小説のような印象がありましたが…。
下町でがんばる技術者さんかっけー!

下町ロケット

下町ロケット


近くにあるのにあまり行かない本屋さんに久しぶりに行ったら、文芸書の新刊以外のセレクトが秀逸でした。
で、読んだ事もない作家さん(不勉強ですいません)の本を買ってみた。

一階には現実、二階には夢。
そんな人生を僕は生きたい。

っていうから、ちっちゃい製作所の話かと思っていたら従業員200人。年商100億ってあんまりちっちゃくないじゃん。
JAXAっぽい研究機関でロケットエンジンの開発やってて打ち上げ失敗して、居場所なくなって実家のエンジン屋継いだ主人公のおじさん。
メインの取引先に取引停止にされ、同業他社に特許侵害で訴えられ、メインバンクに取引停止を言い渡され、巨大企業からは技術と特許を狙われる。
超崖っぷちの佃さんは、それでもロケットエンジンを作りたい!
社内にも反発する勢力を抱えながらも、資金がショートする日をだましだましのばしながら、それら全部と闘っていく。
娘は反抗期だし、別れた妻にはからかわれるし…。

中小業の社長というあんまりない主人公(43歳)。
やー、最後までどうなる事かと思いながらドキドキしてましたけどね。
最後は佃さんのほか、営業、経理、若者、技術者みんなのプライドの物語と思いました。

ロケットが空を駆けていくシーンはそれだけで感動物です。
ハードカバーを朝までかかって読み切った甲斐のある、今年の一冊目でした。