BNKR

ぼんくら(上) (講談社文庫)

ぼんくら(上) (講談社文庫)


ぼんくら(下) (講談社文庫)

ぼんくら(下) (講談社文庫)


よみおわりましたー、課題図書。
さてどこから突っ込もうか。*1
うーん、面白かったことは間違いないのですが、前にも書いた通り総じて印象が薄いです。
こじんまりとまとまっている感じ。
最初の5つの短編で鉄瓶長屋の住人とその様子を描き、上巻の最後から下巻につづく「長い影」で短編で敷いた伏線をまとめあげていく。
その手法は、見事としか言いようがないのは事実。
宮部みゆきさんを「きらいなの?」ときかれたら「いやー、好きだよ」って言うのは間違いないし。
でも、最近のワタシにとってはなんだか印象が薄いんであるのよ。正直なところ。
この「印象が薄い」にかんしては、もうちょっと自分の中で掘り下げて講座での議題にあげたいと思う。


今回の主人公というか謎解き役、ぼんくら同心・井筒平四郎殿。
最近「ぼんくら」「BNKR」と、よく耳にしますが。
じっさい「ぼんくら」というのは賭場において盆に暗いという意味で使われていたらしいです。*2
ワタシの周りのBNKRどもは、おそらく「空気が読めない」「要領が悪い」「永遠のwannabe」って感じで使ってるんだと思いますが*3、平四郎はどっちかというとそんな風はなくて面倒ごとをさけて歩いているため、何にもしていないように見えるが故にぼんくらと称されているように思いました。
自分が同心になりたくないばかりに親の隠し子を探したり、面倒ごとをさけるのに岡っ引きを使わなかったり。
使えると思えば、烏も子供も隠密も使う。
読んでいて思ったのは、使えるもの面倒なもの変えられないものをよく分別し、自分ができること、自分の動かせることをよく理解しているということ。
先日読んだ


に、似ているような気がするんですよね。
まぁ、ぎっくり腰で動けなくなるところなんかは確かにぼんくらなんですけども。

*1:講座の課題図書なので、まじめな突っ込みは講座でするとして

*2:大辞林iPodのアプリ

*3:理解が違ったらごめん