生命の神秘

思い出し日記、その4。本日は三月も後半に突入。

2月のどこに行っているかわからない、流浪のお仕事の間でのんびり読んだ重めのSF。

シオンシステム[完全版] (ハヤカワ文庫JA)

シオンシステム[完全版] (ハヤカワ文庫JA)


「シオンシステム」は三島浩司さんの医療SF。
レース鳩から発見された「寄生主の生命を維持する寄生虫」を利用したシオンシステムという医療生命体を巡る、名古屋〜松坂辺りで起こってたごたごた。
「お空の彼方にある生まれた星にかえりたい」というぼんやり美女と、「それなら僕が宇宙船を作るよ!」という夢見る工学男子、とそれを斜め後ろから見守ってて横恋慕な医療系男子。
というと、身もふたもないですが…。
最初はシオンシステムの医療技術認可を巡る政治駆け引き、続いてシオンシステムが生み出した生命体と戦うアクション、傷ついた二人を再生させる生命SF。
7割くらいのところでちょっとだれたのですが、8割目〜ラストの怒濤で、そのタームごとにメインになるキャラがかわってめまぐるしいですが、それぞれ別に書いても成立するんじゃないかしらと思うくらいの密度。
小松左京さんの「さよならジュピター」の時にも思ったのですが、きれいなだけで他のキャラに依存して、面倒ごとのきっかけにしかならないヒロインは苦手です。
どこか不器用だけれども、ストーリーの牽引役になっていくがんばる女性キャラは好き。あと、それを叱咤激励して支えるニューハーフキャラも。

まだ積んだままの、受賞作も楽しみです。

ダイナミックフィギュア〈上〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

ダイナミックフィギュア〈上〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)


ダイナミックフィギュア〈下〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

ダイナミックフィギュア〈下〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)