リズム&ヴェロシティ

マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)


マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)


ようやく読み終わりました。
文庫本3冊で大して長いとは思わないのですが、なにせ登場人物が多いのがいかんともしがたく。カタカナ名前が苦手なワタシには、巻頭の人名紹介をみても分かりにくい場面がけっこうありました。*1
09側でも10人近く、カトル・カールが12人。エラいおっさんたちやギャングたち。覚えきれるかいなーーーーー!!と、途中投げ出しそうになったりならなかったり。2巻で登場人物がmaxになったときには、半分あきらめてストーリーを追うことに専念しましたが、結局は3巻で1人減り2人減り…。そして誰もいなくなった…。的な幕切れでしたからね。


コレはアニメ化しにくいだろうなーという表現はスクランブルの頃からありましたが*2、ヴェロシティはスクランブルに輪をかけて「映像かしちゃいかんよなー」的なキャラ立てが多かったですね。特にカトル・カール。想像するにつけ、怖いです。ホラーです。
相変わらずな女性蔑視ともとられかねない表現と、逆に女性崇拝に近い視点。ヒロイン(?)ナタリアとボイルドのラブは、とても綺麗だと思いました。露骨じゃないラブシーンもステキ。
単文を重ねた戦闘シーンは、短いセンテンスでリズムよく進めていくスタイルが、いっそうドライブ感を増しているように思いました。
スクランブルの主役の一人、金色の卵・ウフコックはまだ幼い感じで、純粋さ故にボイルドとの共依存関係に陥り、それがとても痛い。ボイルドも分かってるから、最後はウフコックを「相棒」としてじゃなくて「武器」として扱ったんでしょう。
ヴェロシティを読んだ上でスクランブルを読み直すと、ボイルド-ウフコックが切ないんだろうなー。なんか、バロットがわがまま娘に見えちゃうんだろうなー。
個人的には、まだまだあまっちょろいウフコックとイースターが、スクランブルの諦観を得るに至るまでにあった事件とかも見てみたいと思ってます。*3


スターウォーズロジックとでもいうのか、前の話を後から書いているので、技術的に齟齬が出てきそうなのが、ちょっと気になりました。スクランブルで出てきた悪役より、カトル・カールの方が数段怖い…。シザースの表現も、うっすらと怖い。
作者の人、よくここまで考えられるなーと、尊敬します。(冲方さんはやっぱりラノベではないと思う、個人的に)



気分直しに

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)


です。甘いマカロンみたいなお話。いやされるわーーー。

*1:名前を役職だけじゃなくて、特徴も書いといてほしかった…。

*2:実際、アニメ化は頓挫してるし

*3:ヴェロシティのあとすぐにスクランブルって、ないよね?キツすぎるよね。