画一的理想少女

最初に読んだのは去年だったけれども、今年の夏休みの課題図書に選んだ。

スワロウテイル人工少女販売処

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)

なんちゅーか、もう「男の夢満載」ですよね。
この作品がラノベに入らないのは、マルドゥック・スクランブルがラノベに分類されないのに近いからなのかなーと、ゲスの勘繰り。
人工知能が反乱を起こして機械に頼れなくなった人類が生み出した、ナノマシンから成る生命体「人工妖精」。「種のアポトーシス」という生殖行為によって感染する病気により、男女が隔絶した空中都市。
人工妖精であり自浄機関として動く揚羽をコアにして動くストーリーは、装飾過多でスピード感があって、色鮮やかで爽快だ。

けれどもね!
男性の理想の姿で生まれてきて、望みのままに奉仕してくれる人工妖精ってどこのエロゲの設定ですかーーー?? メスを武器に、戸惑いながら戦うヒロイン/揚羽も、読んでいる時はけなげでかわいいけれども、ふと我に返ったらちょうご都合キャラ。
人工妖精の開発者であり、本人も種のアポトーシスの影響で幼児退化しているという科学者/鏡子。キャラは良かったけれども、そこで幼女設定ですか。母性とのギャップ萌えですか…。

歯車の反対側では、人間の女性だけが男性型の人工妖精と暮らす世界があるということを考えたら、違和感のバランスがとるんでしょう。多分続編でその辺りがフォローされていると期待したい。
だから、次も読みますよ。

あ、面白かったです。聞かれたら、絶賛おすすめするくらいに面白かったです。

スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)

スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)