それでもワタシは生きて行く

生きて行く私 (角川文庫)

生きて行く私 (角川文庫)

ここの所ずっと鞄に入っている文庫本。
分厚いんだけど、一気に読めないほどの長さじゃないのに、1ヶ月近くも鞄に入っているのは、8pくらいのエッセーが何十本も収録されているから。
ひとつひとつが短いので、空いた時間に読んで、しばらく忘れて、また時間ができたらひとつ読むという、ゆるゆるサークルができてました。他の本に疲れたら1章、カフェでコーヒーが来るまでに1章。


内容は新聞に週1で連載されていた、作者:宇野千代さんの自伝エッセイ。
大正生まれで90過ぎまでぴんぴん生きていた、破天荒なおバーちゃんです。往年のお写真を見る限り、とても小柄でかわいらしくて、近所にいらしたら遊びに行きたい感じ(迷惑です)
やりたい事をやって、好きな人には好きだと伝えて、嫌な事は忘れる
仕事関係、男関係、壮絶です。友達だったら、思わずドン引きな事件を多々起こしでも、(結婚して札幌にダンナいてるのに、小説の授賞式で東京に来てそのまま新しい男と住み始めちゃったり。好き放題遊び回って、何千万っていう借金で会社つぶしちゃったり)、それでも周りに人があふれているのは、やっぱりどこまでも底抜けに明るくて楽観的で、誰よりも「自分と自分をとりまく人が好き」というスタンスだからかなー。


前向きを意識しなくても常に前に向かっ爆走していた宇野千代さんの生き方は痛快で、爽快。
人生迷走中の現在「参考になるかも〜」とかおもって読み始めたのですが、「こりゃ無理だわ…」と笑顔で脱帽です。所々から感じ取れた、日々のわがままエッセンンスは、少しずつ取り入れられたいいかも。
あー、こういうおバーちゃんになりたい!(50年がかりの長期計画だわ)