午前四時
ケータイが鳴って目が覚めた。
相手も確かめず通話受信。こんな時間に電話してくるのは、あの酔っぱらいしかいない。
案の定、泥酔してタクシーで帰る途中だったらしい。
ろれつの回っていないゴキゲンさんと覚醒しきれていない白河夜船のワタシ。
ゆるゆると会話。
向こう側がタクシーを降りて、自宅にたどり着いたのが通話越しにわかった。
20分ほどの会話で、とぎれとぎれになる返事。
沈黙したのを確認して通話を切り*1、冷蔵庫のモーター音だけが聞こえる部屋で毛布をたぐり寄せた。
窓の外はまだ夜。遠くに高層ビルの陰がぼんやりと浮かんでいる。
都会の夜は明るい。
朝。
電話は夢だったのかと思ってケータイを見たら、やっぱり午前四時に着信があった。
多分向こうは電話をかけた事すら覚えていないだろう。*2
ワタシも、何を話していたのかはっきり覚えていない。