ヤンキーSF

零式 (ハヤカワ文庫JA)

零式 (ハヤカワ文庫JA)


結構しんどかった。
おもしろかったけど、のめり込むほどじゃなくて、「良かったよー」とはいけるけど、絶賛おすすめできるほどじゃない。
読み終わってブックカバーはずして出版社確認して、「そっかー、これはラノベじゃないのか。」と疑問符。××なシーンとか○○な表現があったら、ラノベにはできないのかな?テンションは一貫して、ラノベノリだと思ったんですけど。


内容は、オルタネイトヒストリー(もしも、戦争でぼろ負けして植民地(?)化されていたら?)で、リニアが一般化してしている時代に、ガソリンエンジン(レシプロ発動機)で駆け抜けるヤンキー少女と、特攻隊の生き残りの老人にとらわれ神格化された少女の、ガール・ミーツ・ガールと逃走の物語。
SFに場を借りたヤンキー成長ストーリーと表されているのを見たことがあるけど、本当にそんな感じ。ノリだけなら、マガジンに載ってても不思議じゃないです。
仰々しく漢字にふられたルビも、ヤンキーテイスト増進!
政治的なこととかは、興味もないし、言及するつもりもありませんが、何事についても行き過ぎは良くないってことで。できれば、虚島さんとか刃内さんあたりもっと言及してほしかったなー。


ただ、個人的に女の子とでかい機械というセットアップに、ものすごく弱いので、シチュエーションを想像してはにやついてみたり(挿絵全くないので、想像するのみ)
表紙の白髪ロングストレートの女の子はかわいいですが、あの脚むき出しでバイクに乗って大丈夫なんだろうか…?
疾走感は映像でみたいです。

まぁ、おもしろかったです。
お金出し多分だけの、娯楽はいただきました。


住所不定の作者が後書きで、

執筆ラストにはリアル・フィクション恒例の「執筆中に吐く」に加えて「執筆中に泣く」「執筆中に禿げ」状況となりましたが、ゲロと血と汗と涙はどうでも良いので髪は返してほしいです。スキンヘッドの日は近い。

というのが何となくかわいい。*1

*1:著者近影では大泉洋似のオトコマエさんっぽいのに